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今月の先生:青島 賢明先生

青島整形外科 院長
〒422-8007 静岡県静岡市駿河区聖一色434ー4
054-267-3330

60歳以上で女性の約40%、男性の約20%がレントゲン上、変形性ひざ関節症と診断されるという調査結果も

1回目のテーマは変形性ひざ関節症です。ひざの痛みをかかえてやってくる患者さんの、約99%を占めると言っていいくらい多く見られます。
ひざ関節は、太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)および、ひざのお皿(ひざ蓋骨)とのつなぎ目のことで、骨同士が接する部分を、なめらかで弾力性のある軟骨が覆い、衝撃を和らげています。毎日、この部分に体重などの負担がかかり、次第に軟骨がすり減って…となります。60歳以上で女性の約40%、男性の約20%がレントゲン上、変形性ひざ関節症と診断されるという調査結果もあるほどです。

変形性膝関節症って何?

■変形性ひざ関節症・初期〜中期
 【状態】重すぎる体重や脚の筋力低下などが原因でひざに負担がかかりすぎると、軟骨の表面が傷ついたりして弾力性が落ちます。さらに進むと、軟骨が少しずつすり減っていき、レントゲンでは関節にあるべきすき間が狭くなって見え、とげ状の変形が見え始めます。
 【症状】もっとも早く症状を感じるのは、立ち上がりなど動作の開始時の痛みだと思います。こわばりや鈍痛、重さを感じたり、ひざの裏側がひきつったりしますが、長くは続きません。
 中期になると徐々に症状が出てきます。階段の上り下り、特に下りのときに、はっきりとした痛みを自覚する方が多いようです。膝が完全に曲らない、伸びきらない状態となり、正座などが大変になります。負担がかかった後などにひざに水がたまって腫れたりすることも出てきます。



■変形性ひざ関節症・進行期
 【状態】軟骨のすり減りが進み、レントゲンではすき間はさらに狭くなりとげ状の変形が強くなります。軟骨どころか骨も削れ出し関節は象牙のように硬くなります。こうなってくると見た目にも関節の変形が分かるようになります。
 【症状】日常生活に支障が起こるほどの痛みになり、仕事や買い物、旅行など、社会活動に支障が出てきます。生活の活動範囲も狭くなるので、高齢者の方の中には認知症に繋がってしまうこともあります。

原因は?

●肥満
 人が歩くとき、体重の約3倍の負荷がひざにかかるといわれます。体重が増えるほど、軟骨や半月板が傷つき発症しやすくなります。



●O脚やX脚
 日本人に多いO脚は、ひざの内側に荷重がかたよってかかるため、内側の軟骨が傷つき発症しやすくなります。
●女性
 女性に多く発症することが分かっています。
●筋力の低下
 太ももの前側の筋肉は、歩く機会が減ると弱くなってきます。この筋肉は、ひざ関節の負担を補っていて、ここが衰えることで、軟骨の負担が大きくなり傷みやすくなると考えられています。女性に多いのは、筋力そのものが弱いからということもあると思います。

治療法は?

 手術を行わない治療としては、次のものが挙げられます。
●薬物療法
 痛みの強さや症状に合わせて痛み止めの外用薬や内服薬を処方します。
 また、ヒアルロン酸の関節内注射を用いています。関節の軟骨や関節液に含まれる成分のひとつであるヒアルロン酸を関節内に直接注入することにより、関節の働きをなめらかにしたり、ひざの痛みを軽くしたり、炎症を和らげたりする効果が期待できます。
 このヒアルロン酸やグルコサミンをサプリメントとして飲まれる方がいますが、私はおすすめしません。これらのたんぱく質が食品として体内に入っても、アミノ酸に分解されてしまいます。必ずひざの軟骨となるわけではないからです。



●サポーターなどの装具
 ひざ関節の負担を軽くし、ひざを安定させるために、サポーターや杖などを使います。
●理学療法(運動療法)
 運動をすることによって血行をよくし、患部の周辺などの硬直した筋肉をほぐしていきます。ひざの痛みをかばって歩いたりするため、腰、太もも、足首など、他の筋肉にも負担がかかっていることが多いので、ひざだけに注目するのではなく全体のバランスを考えた指導と、ひざに無理をかけない運動の指導やアドバイスを行います。
 脛骨骨切り術や人工ひざ関節置換術などの外科手術による治療も行われています。