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今月の先生:先生

●移動の介助

 生活の基本となる移動動作は・「寝返る」・「起き上がる」・「立ちあがる」・「座る」・「歩く」の5種類です。複雑な動作も、この5種類の組み合わせです。人間の運動機能は、神経、骨格、関節、筋肉などが互いに影響し合っていますが、この関係性を理解することは、最小限の力で疲労の少ない介助が行え、介助する側の腰痛防止にもつながります。



 【図─1】をみていきましょう。どのような基本姿勢で介助すればいいのかがわかります。それぞれの状態に合わせた移動介助をおこなう際は、【図─1】のような手順を考えると、事故が起こらないような介助ができるようになるはずです。  手を貸しすぎてしまうと、高齢者のやる気や運動能力を妨げてしまうことがあるので、必要最低限の介助を心がけるようにし、急に抱え上げたりしないで、一つひとつの動きに声がけをしましょう。

●横向きになる介助

 【図─2】は、仰向けに寝ている人に、横向きになってもらう方法で、オムツやシーツの交換をするときに必要な介助の方法です。ポイントは、重心が移動しやすいように、介助される人に、顔を横に向けてもらうことです。そして、腕が身体の下に巻き込まれたり、体がねじれてしまわないように体の上で両腕を組んでもらいます。

●起き上がりの介助

 【図─3】は、起き上がってベッドの端に座ってもらう介助の方法です。食事やトイレ、入浴などでベッドなどから離れる時に必要な動作の一つです。介助の手順については【図─3】をご覧ください。介助される人を起こす時には、頭の重さが手首に移り、不安定になる場合があるので注意が必要です。

●立ち上がりの介助

 【図─4】は、ベッドなどから立ち上がる時の方法です。足がついている位置に立ち上がるので、かかとを少し引いてあげると楽に立つことができます。



 高さ調節のできるベッドを利用すると、介助する側の足腰の負担も軽減できます。つかまるものがあれば立ち上がれる人の場合は、ベッドに介助バーを取り付けると移動がスムーズに行えるでしょう。

●歩行についての介助

 少しでも歩くことのできる場合、筋力を維持するためにも、歩く機会を増やすようにしてください。体の状況によって、杖や歩行器などの福祉用具を利用すると便利です。ポイントは【図─5】にまとめてみたので、参考にしてみてください。



 一歩外に出て、普段と違う世界に触れることは、介助される側にも、介助する人にも、良い気分転換になるはずです。

●車いすでの介助

 歩くことが困難な場合は、車いすを使います。車いすは、介助される方の状況や体格に合ったものを選ぶようにしてください。

 移動の前には、正しい姿勢で乗っているか確認して、手や足が車輪に巻き込まないように気をつけてください。移動をはじめる時や、角を曲がったり止まる時など、ゆっくりと動かして、声かけもしましょう。勾配の大きな坂道や段差を下りるときは、介助者が手元のブレーキをかけながら、後ろ向きに行うと安全に移動できます。

●車いすへの移乗介護

 ベッドなどから車椅子への移動の方法は【図─6】をみてください。車いすをベッドの側面に対して『20度~30度』を目安に置きます。ベッドと車いすとの隙間を少なくし、適度な角度をつけることで、移動しやすくなります。  片方にまひがある人の場合、自分の体を支えたり、手すりにつかまったりできるように、まひのない側に車いすを置きます。車いすへの移動では、転倒の危険性があるので、十分気を配りましょう。


 

 



 ご紹介してきた以外にも、状況によっていろんな手法があるので、介護保険に加入している方は、担当のケアマネジャに聞いて、教えてもらうのもよいでしょう。お近くの地域包括支援センターや地域リハビリテーション推進センターの「リハ・パークしずおか」でも、相談できるので、安心して介助をしてみてください。